問題番号 : 106I71
23歳の男性。呼吸困難のため搬入された。 自宅で咳込んだ直後に呼吸困難を自覚し,次第に増強してきたため家族が救急車を要請した。意識は清明。体温37.0℃。 心拍数108/分,整。血圧136/80 mmHg。 呼吸数28/分。SpO2 88%(8 L/分酸素投与下)。 呼吸音は右の胸部では弱く,左の胸部では聴取しない。 胸部エックス線写真を別に示す。 現時点の対応として適切なのはどれか。
画像診断:上画像参照。 無料会員登録していただくと、実際の解説をすべて見ることができます。急性の呼吸困難を主訴とする疾患としては,喉頭浮腫,気道異物,自然気胸,気管支喘息,慢性閉塞性肺疾患の急性増悪などの呼吸器疾患,心不全(急性,慢性の急性増悪),肺血栓塞栓症などの循環器疾患が代表的である。この症例では呼吸器感染症と心不全が疑われるが,胸部エックス線写真は肺炎像というよりも両心不全を示唆する所見を示している。診断:心不全(両心不全)(Nohria分類wet and warm) 選択肢考察 ×a 強い呼吸困難,胸痛などにより安静が保てない場合には,血管拡張による前負荷軽減と,交感神経抑制による心筋酸素消費量の減少を目的としてモルヒネを使用する。この症例ではモルヒネが必要となるほどの興奮状態ではない。