問題番号 : 106G66

本問は,106G65~67の連問の一部です。

 75歳の男性。重症肺炎で入院中である。
現病歴:2週前に肺炎と低酸素血症のため搬入された。救急室で気管挿管を施行され,集中治療室に入院となった。
既往歴:53歳から糖尿病で内服加療中。60歳から高血圧症で内服加療中。
生活歴:長男夫婦と同居。妻が5年前に脳梗塞のため死亡。
家族歴:父親が糖尿病。
 入院後,人工呼吸器管理が長期にわたったため,本日気管切開術を行い,引き続き人工呼吸器管理を行った。1時間後にアラームが鳴ったため駆けつけると,人工呼吸器のモニターで気道内圧が上昇しており,患者の頸静脈は怒張していた。
 直ちに気管内を吸引したところ,少量の白色痰が認められた。10分後,血圧が78/42 mmHgに低下した。左前胸部で呼吸音を聴取しない。
 現時点で認められる可能性が高い所見はどれか。

正解
c
国試正答率
92%

Assessment
①気管切開術 ⇒ 術後合併症も考えられる
②気道内圧の上

無料会員登録していただくと、実際の解説をすべて見ることができます。急性の呼吸困難を主訴とする疾患としては,喉頭浮腫,気道異物,自然気胸,気管支喘息,慢性閉塞性肺疾患の急性増悪などの呼吸器疾患,心不全(急性,慢性の急性増悪),肺血栓塞栓症などの循環器疾患が代表的である。この症例では呼吸器感染症と心不全が疑われるが,胸部エックス線写真は肺炎像というよりも両心不全を示唆する所見を示している。診断:心不全(両心不全)(Nohria分類wet and warm) 選択肢考察 ×a 強い呼吸困難,胸痛などにより安静が保てない場合には,血管拡張による前負荷軽減と,交感神経抑制による心筋酸素消費量の減少を目的としてモルヒネを使用する。この症例ではモルヒネが必要となるほどの興奮状態ではない。

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