問題番号 : 106F31

本問は,106F30~31の連問の一部です。

 63歳の女性。「鼻血を止める方法を教えてください」と救急外来に電話があった。
現病歴:本日19時から,自宅で特に誘因なく鼻出血が出現した。30分たっても止血しないため,救急外来に電話したという。
既往歴:約10年前に高血圧症と診断され,自宅近くの診療所で降圧薬を処方されている。
 患者は20時30分頃来院した。助言に従い止血を試みたが,効果がみられなかったという。
生活歴:特記すべきことはない。
家族歴:父親が高血圧性脳出血のため76歳で死亡。
現 症:意識は清明。脈拍88/分,整。血圧166/80 mmHg。左鼻孔からの出血を認め,しばしば口腔内に溜まった血液を吐き出している。他の身体所見に異常を認めない。
 救急外来担当医が耳鼻咽喉科医師に対応を要請している間に,座って待機していた患者が床にうずくまった。呼びかけに対する反応は明確でなく,顔面は蒼白で冷汗を認める。脈拍56/分,整。血圧104/72 mmHg。呼吸数16/分。胸部聴診で呼吸音に異常を認めない。
 対応として適切なのはどれか。

正解
c
国試正答率
53%

Assessment
 鼻出血は代表的なプライマリケア疾患として,すべての医師

無料会員登録していただくと、実際の解説をすべて見ることができます。急性の呼吸困難を主訴とする疾患としては,喉頭浮腫,気道異物,自然気胸,気管支喘息,慢性閉塞性肺疾患の急性増悪などの呼吸器疾患,心不全(急性,慢性の急性増悪),肺血栓塞栓症などの循環器疾患が代表的である。この症例では呼吸器感染症と心不全が疑われるが,胸部エックス線写真は肺炎像というよりも両心不全を示唆する所見を示している。診断:心不全(両心不全)(Nohria分類wet and warm) 選択肢考察 ×a 強い呼吸困難,胸痛などにより安静が保てない場合には,血管拡張による前負荷軽減と,交感神経抑制による心筋酸素消費量の減少を目的としてモルヒネを使用する。この症例ではモルヒネが必要となるほどの興奮状態ではない。

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