問題番号 : 106E53

56歳の女性。2年前から再生不良性貧血で治療中である。本日,赤血球輸血を行ったところ,輸血開始から約15分後に,全身の瘙痒感と呼吸困難とを訴えた。これまでにも輸血を受けているが,同様の症状は経験していない。脈拍116/分,整。血圧72/50 mmHg。呼吸数24/分。SpO2 90%(room air)。全身の皮膚は発赤し,膨疹が広がっている。両側の胸部にwheezesを聴取する。直ちに輸血を中止した。
 次に行うべき対応として適切なのはどれか。

正解
c
国試正答率
82%

Assessment
 患者は瘙痒感と呼吸困難を訴えることができる意識状態だが

無料会員登録していただくと、実際の解説をすべて見ることができます。急性の呼吸困難を主訴とする疾患としては,喉頭浮腫,気道異物,自然気胸,気管支喘息,慢性閉塞性肺疾患の急性増悪などの呼吸器疾患,心不全(急性,慢性の急性増悪),肺血栓塞栓症などの循環器疾患が代表的である。この症例では呼吸器感染症と心不全が疑われるが,胸部エックス線写真は肺炎像というよりも両心不全を示唆する所見を示している。診断:心不全(両心不全)(Nohria分類wet and warm) 選択肢考察 ×a 強い呼吸困難,胸痛などにより安静が保てない場合には,血管拡張による前負荷軽減と,交感神経抑制による心筋酸素消費量の減少を目的としてモルヒネを使用する。この症例ではモルヒネが必要となるほどの興奮状態ではない。

無料会員登録して、解説をすべて見る