問題番号 : 106E51

67歳の男性。交通外傷で搬入された。車の運転中,電柱に衝突した。意識は清明。胸痛と呼吸困難とを訴えている。脈拍96/分,整。血圧146/76 mmHg。呼吸数20/分。SpO2 93%(リザーバー付マスク10 L/分酸素投与下)。頸静脈の怒張を認めない。胸郭の奇異性運動を認める。胸骨部に圧痛と皮下出血とを認める。血液所見:赤血球384万,Hb 11.2 g/dL,Ht 39%,白血球9,800,血小板23万。CK 57 IU/L(基準30~140)。CRP 0.3 mg/dL。動脈血ガス分析(自発呼吸,リザーバー付マスク10 L/分酸素投与下):pH 7.21,PaCO2 60 Torr,PaO2 80 Torr,HCO3 23 mEq/L。胸部エックス線写真と胸部単純CTとで気胸を認めない。胸部単純CT(A)と胸郭3D-CT(B)とを別に示す。
 まず行うべき処置はどれか。

正解
b
国試正答率
63%

画像診断
上画像参照。

Assessment

無料会員登録していただくと、実際の解説をすべて見ることができます。急性の呼吸困難を主訴とする疾患としては,喉頭浮腫,気道異物,自然気胸,気管支喘息,慢性閉塞性肺疾患の急性増悪などの呼吸器疾患,心不全(急性,慢性の急性増悪),肺血栓塞栓症などの循環器疾患が代表的である。この症例では呼吸器感染症と心不全が疑われるが,胸部エックス線写真は肺炎像というよりも両心不全を示唆する所見を示している。診断:心不全(両心不全)(Nohria分類wet and warm) 選択肢考察 ×a 強い呼吸困難,胸痛などにより安静が保てない場合には,血管拡張による前負荷軽減と,交感神経抑制による心筋酸素消費量の減少を目的としてモルヒネを使用する。この症例ではモルヒネが必要となるほどの興奮状態ではない。

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