70歳の女性。呼吸困難を主訴に来院した。3週前に感冒様症状が出現し,自宅近くの診療所で抗菌薬と漢方薬とを処方された。その後も症状は改善せず,乾性咳嗽と呼吸困難とが増悪したため,紹介されて受診した。紹介の時点で,診療所の医師から薬の内服を中止するよう指示されたという。意識は清明。体温36.9℃。脈拍88/分,整。血圧122/86 mmHg。呼吸数22/分。SpO2 92%(room air)。聴診で両側の胸部にfine cracklesを聴取する。喀痰検査:Gram染色で有意な菌を認めない。Ziehl-Neelsen染色でGaffky 0号。血液所見:赤血球456万,Hb 12.5 g/dL,Ht 42%,白血球13,140(桿状核好中球10%,分葉核好中球50%,好酸球26%,単球4%,リンパ球10%),血小板26万。血液生化学所見:総蛋白7.3 g/dL,アルブミン3.5 g/dL,総ビリルビン1.7 mg/dL,AST 85 IU/L,ALT 63 IU/L,LD 619 IU/L(基準176~353),ALP 385 IU/L(基準115~359),γ-GTP 171 IU/L(基準8~50)。免疫学所見:CRP 5.2 mg/dL。KL-6 733 U/mL(基準500未満)。サイトメガロウイルス抗原血症〈C7-HRP〉(−),β-D-グルカン8 pg/mL(基準10以下),アスペルギルス抗原陰性。クラミジア・ニューモニエ抗体価とマイコプラズマ抗体価との有意な上昇を認めない。動脈血ガス分析(自発呼吸,room air):pH 7.50,PaO2 65 Torr,PaCO2 28 Torr,HCO3− 21 mEq/L。胸部エックス線写真で両肺野に浸潤影を認める。胸部単純CTを別に示す。
治療薬として適切なのはどれか。