問題番号 : 106D38

70歳の男性。右利き。言動が異常であることを心配した家族に伴われて来院した。2日前,急に不可解な発言をするようになり,落ち着きがなくなった。昨日は症状がやや改善した印象であったが,今朝から奇妙な言動が続いている。10年前から脂質異常症の治療を受けている。不整脈を指摘されたことがある。母親と兄とが高血圧症である。意識は清明。身長160 cm,体重67 kg。体温36.0℃。脈拍68/分,不整。血圧160/68 mmHg。呼吸数17/分。項部硬直を認めない。脳神経系に異常を認めない。頸部で血管雑音を聴取しない。心雑音を聴取しない。呼吸音に異常を認めない。四肢に運動麻痺を認めない。発話量は多いが,質問とは無関係なことを答える。「口を開けて舌を出して下さい」と指示を与えても別の動作をする。胸部エックス線写真上,心胸郭比58%であり,肺野に異常を認めない。心電図で心房細動を認める。頭部単純CTを別に示す。
 この患者の病態として正しいのはどれか。

正解
c
国試正答率
94%

画像診断
上画像参照。

Assessment

無料会員登録していただくと、実際の解説をすべて見ることができます。急性の呼吸困難を主訴とする疾患としては,喉頭浮腫,気道異物,自然気胸,気管支喘息,慢性閉塞性肺疾患の急性増悪などの呼吸器疾患,心不全(急性,慢性の急性増悪),肺血栓塞栓症などの循環器疾患が代表的である。この症例では呼吸器感染症と心不全が疑われるが,胸部エックス線写真は肺炎像というよりも両心不全を示唆する所見を示している。診断:心不全(両心不全)(Nohria分類wet and warm) 選択肢考察 ×a 強い呼吸困難,胸痛などにより安静が保てない場合には,血管拡張による前負荷軽減と,交感神経抑制による心筋酸素消費量の減少を目的としてモルヒネを使用する。この症例ではモルヒネが必要となるほどの興奮状態ではない。

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