問題番号 : 106D36

11歳の男児。呼吸困難のため搬入された。学校給食で食パンとシチューを食べた後,昼休みに校庭でサッカーをしていたときに皮膚瘙痒感と蕁麻疹とが出現した。養護教諭が保健室で休ませて様子をみていたところ,患児が呼吸困難と気分不快とを訴えたため,救急車を要請した。意識は清明。体温36.8℃。脈拍92/分,整。血圧86/48 mmHg。呼吸数32/分。SpO2 90%(room air)。ぐったりとしている。顔面と四肢とに膨疹が散在している。胸部で喘鳴を聴取する。1か月前にも同様のエピソードがあったという。
 病態として最も考えられるのはどれか。

正解
e
国試正答率
100%

Assessment
①食後すぐに運動して,アナフィラキシー症状(蕁麻疹,血圧

無料会員登録していただくと、実際の解説をすべて見ることができます。急性の呼吸困難を主訴とする疾患としては,喉頭浮腫,気道異物,自然気胸,気管支喘息,慢性閉塞性肺疾患の急性増悪などの呼吸器疾患,心不全(急性,慢性の急性増悪),肺血栓塞栓症などの循環器疾患が代表的である。この症例では呼吸器感染症と心不全が疑われるが,胸部エックス線写真は肺炎像というよりも両心不全を示唆する所見を示している。診断:心不全(両心不全)(Nohria分類wet and warm) 選択肢考察 ×a 強い呼吸困難,胸痛などにより安静が保てない場合には,血管拡張による前負荷軽減と,交感神経抑制による心筋酸素消費量の減少を目的としてモルヒネを使用する。この症例ではモルヒネが必要となるほどの興奮状態ではない。

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