問題番号 : 106D31

42歳の女性。3日前から出現した呼吸困難を主訴に来院した。5年前に全身性エリテマトーデスと診断され,副腎皮質ステロイドによる治療を受けている。身長154 cm,体重45 kg。体温38.8℃。脈拍104/分,整。血圧128/68 mmHg。呼吸数25/分。胸部全体に軽度のfine cracklesを聴取する。赤沈68 mm/1時間。血液所見:赤血球328万,Hb 9.8 g/dL,Ht 27%,白血球11,800(桿状核好中球35%,分葉核好中球52%,好塩基球1%,単球7%,リンパ球5%),血小板32万。血液生化学所見:総蛋白6.8 g/dL,アルブミン3.2 g/dL,尿素窒素28 mg/dL,クレアチニン0.9 mg/dL,AST 43 IU/L,ALT 59 IU/L,LD 423 IU/L(基準176~353),IgG 800 mg/dL(基準960~1,960)。免疫学所見:CRP 7.1 mg/dL。β-D-グルカン585 pg/mL(基準10以下)。抗核抗体40倍(基準20以下)。CH50 39 U/mL(基準30~40)。動脈血ガス分析(自発呼吸,room air):pH 7.48,PaCO2 29 Torr,PaO2 50 Torr,HCO3 21 mEq/L。胸部単純CTを別に示す。
 治療薬として適切なのはどれか。

正解
a
国試正答率
96%

画像診断
上画像参照。

Assessment

無料会員登録していただくと、実際の解説をすべて見ることができます。急性の呼吸困難を主訴とする疾患としては,喉頭浮腫,気道異物,自然気胸,気管支喘息,慢性閉塞性肺疾患の急性増悪などの呼吸器疾患,心不全(急性,慢性の急性増悪),肺血栓塞栓症などの循環器疾患が代表的である。この症例では呼吸器感染症と心不全が疑われるが,胸部エックス線写真は肺炎像というよりも両心不全を示唆する所見を示している。診断:心不全(両心不全)(Nohria分類wet and warm) 選択肢考察 ×a 強い呼吸困難,胸痛などにより安静が保てない場合には,血管拡張による前負荷軽減と,交感神経抑制による心筋酸素消費量の減少を目的としてモルヒネを使用する。この症例ではモルヒネが必要となるほどの興奮状態ではない。

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