問題番号 : 106D21

66歳の男性。体重増加と著明な浮腫とを主訴に来院した。4か月前に足部の浮腫を自覚した。次第に靴が履きにくくなり,体重が7 kg増加した。息子と娘がいるが,生来健康である。身長165 cm,体重70 kg。脈拍76/分,整。血圧142/86 mmHg。呼吸数16/分。両側の下腿と大腿とに浮腫を認める。尿所見:蛋白3+,糖(−),潜血(±),沈渣に赤血球1~4 / 1視野,白血球0~1 / 1視野。血液生化学所見:空腹時血糖80 mg/dL,総蛋白4.0 g/dL,アルブミン2.0 g/dL,尿素窒素24 mg/dL,クレアチニン1.0 mg/dL,LDLコレステロール200 mg/dL(基準65~139)。胸部エックス線写真で両側に胸水を認める。腎生検のPAM染色標本(A)と電子顕微鏡写真(B)とを別に示す。
 この患者に説明すべきこととして適切なのはどれか。

正解
c
国試正答率
91%

画像診断
上画像参照。

Assessment

無料会員登録していただくと、実際の解説をすべて見ることができます。急性の呼吸困難を主訴とする疾患としては,喉頭浮腫,気道異物,自然気胸,気管支喘息,慢性閉塞性肺疾患の急性増悪などの呼吸器疾患,心不全(急性,慢性の急性増悪),肺血栓塞栓症などの循環器疾患が代表的である。この症例では呼吸器感染症と心不全が疑われるが,胸部エックス線写真は肺炎像というよりも両心不全を示唆する所見を示している。診断:心不全(両心不全)(Nohria分類wet and warm) 選択肢考察 ×a 強い呼吸困難,胸痛などにより安静が保てない場合には,血管拡張による前負荷軽減と,交感神経抑制による心筋酸素消費量の減少を目的としてモルヒネを使用する。この症例ではモルヒネが必要となるほどの興奮状態ではない。

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