問題番号 : 106C29

本問は,106C28~29の連問の一部です。

 32歳の男性。風邪が治らないことを主訴に来院した。
現病歴:8日前に全身倦怠感と咽頭痛とが出現した。風邪をひいたと考え,数日は睡眠を長めにとって様子をみていたが,改善しなかった。4日前から耳閉感が出現し,37.5℃の発熱もみられた。2日間仕事を休み,市販の総合感冒薬を服用していたが,症状が改善しないため受診した。鼻汁,鼻閉感および咳はない。頭痛はないが,頸部から後頭部にかけて重たい感じがあるという。
既往歴:スギ花粉症。
生活歴:妻との2人暮らし。事務職。喫煙歴はない。飲酒は機会飲酒。
家族歴:父親が高血圧症で薬物治療中。母親が糖尿病で食事療法中。
身体診察を開始しようとしたときに,患者が「市販の風邪薬では治らなかったので,風邪に効く抗生物質を出していただけますか」と尋ねてきた。
現 症:意識は清明。身長165 cm,体重60 kg。体温37.4℃。脈拍88/分,整。血圧126/80 mmHg。咽頭粘膜に発赤を認めない。口蓋扁桃は軽度に腫大している。両側の胸鎖乳突筋の後縁に,径1 cmの軟らかく圧痛のないリンパ節を2,3個ずつ触知する。
 肝と脾との腫大をみるために腹部診察を行おうとしたところ,患者が「おなかの診察までするのですか」と尋ねた。
 現時点の医師の対応で最も適切なのはどれか。

正解
d
国試正答率
100%

Assessment
①「風邪に効く抗生物質を出していただけますか」 ⇒ 患者

無料会員登録していただくと、実際の解説をすべて見ることができます。急性の呼吸困難を主訴とする疾患としては,喉頭浮腫,気道異物,自然気胸,気管支喘息,慢性閉塞性肺疾患の急性増悪などの呼吸器疾患,心不全(急性,慢性の急性増悪),肺血栓塞栓症などの循環器疾患が代表的である。この症例では呼吸器感染症と心不全が疑われるが,胸部エックス線写真は肺炎像というよりも両心不全を示唆する所見を示している。診断:心不全(両心不全)(Nohria分類wet and warm) 選択肢考察 ×a 強い呼吸困難,胸痛などにより安静が保てない場合には,血管拡張による前負荷軽減と,交感神経抑制による心筋酸素消費量の減少を目的としてモルヒネを使用する。この症例ではモルヒネが必要となるほどの興奮状態ではない。

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