問題番号 : 106B59

本問は,106B58~60の連問の一部です。

 78歳の男性。意識障害のため家族に伴われて来院した。
現病歴:3日前から発熱と黄色痰を伴う咳とが続いていたが,病院に行くのを嫌がっていた。いつもの時間に起きてこないため家族が部屋に様子をみに行ったところ,呼びかけに対する反応が悪い患者を発見し,家族が乗用車で救急外来に連れてきた。
既往歴:43歳から高血圧症で内服加療中。55歳から糖尿病で内服加療中。
生活歴:長男家族と同居。
現 症:意識レベルはJCS Ⅱ-10。体温39.0℃。心拍数118/分,整。血圧84/42 mmHg。呼吸数28/分。SpO2 90%(room air)。四肢末梢の皮膚は温かく,軽度の発赤を認める。刺激に対する上下肢の動きは良好である。左の背部下方にcoarse cracklesを聴取する。
検査所見:血液生化学所見:Na 144 mEq/L,K 4.5 mEq/L,Cl 108 mEq/L。動脈血ガス分析(自発呼吸,room air):pH 7.21,PaCO2 26 Torr,PaO2 60 Torr,HCO3 10 mEq/L。
 この患者の酸塩基平衡状態の診断として正しいのはどれか。

正解
d
国試正答率
94%

Assessment
①来院理由は意識障害であるが,最初の症状は3日前からの発

無料会員登録していただくと、実際の解説をすべて見ることができます。急性の呼吸困難を主訴とする疾患としては,喉頭浮腫,気道異物,自然気胸,気管支喘息,慢性閉塞性肺疾患の急性増悪などの呼吸器疾患,心不全(急性,慢性の急性増悪),肺血栓塞栓症などの循環器疾患が代表的である。この症例では呼吸器感染症と心不全が疑われるが,胸部エックス線写真は肺炎像というよりも両心不全を示唆する所見を示している。診断:心不全(両心不全)(Nohria分類wet and warm) 選択肢考察 ×a 強い呼吸困難,胸痛などにより安静が保てない場合には,血管拡張による前負荷軽減と,交感神経抑制による心筋酸素消費量の減少を目的としてモルヒネを使用する。この症例ではモルヒネが必要となるほどの興奮状態ではない。

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