問題番号 : 106A51

54歳の女性。咳嗽と発熱とを主訴に来院した。2日前から38.5℃の発熱と咳嗽とがあり,市販の総合感冒薬で様子をみていたが改善しなかった。高熱が持続し,咳嗽が増強してきたため受診した。喀痰を認めない。既往歴と家族歴とに特記すべきことはない。2年前から室内でインコを飼っていたが,1週前に死んだという。意識は清明。体温38.7℃。脈拍88/分,整。血圧122/76 mmHg。呼吸数20/分。SpO2 96%(room air)。心音と呼吸音とに異常を認めない。白血球7,300(桿状核好中球20%,分葉核好中球55%,好酸球2%,好塩基球1%,単球5%,リンパ球17%)。CRP 15 mg/dL。胸部エックス線写真を別に示す。
 この疾患に有効な抗菌薬はどれか。

正解
c
国試正答率
95%

画像診断
上画像参照。

Assessment

無料会員登録していただくと、実際の解説をすべて見ることができます。急性の呼吸困難を主訴とする疾患としては,喉頭浮腫,気道異物,自然気胸,気管支喘息,慢性閉塞性肺疾患の急性増悪などの呼吸器疾患,心不全(急性,慢性の急性増悪),肺血栓塞栓症などの循環器疾患が代表的である。この症例では呼吸器感染症と心不全が疑われるが,胸部エックス線写真は肺炎像というよりも両心不全を示唆する所見を示している。診断:心不全(両心不全)(Nohria分類wet and warm) 選択肢考察 ×a 強い呼吸困難,胸痛などにより安静が保てない場合には,血管拡張による前負荷軽減と,交感神経抑制による心筋酸素消費量の減少を目的としてモルヒネを使用する。この症例ではモルヒネが必要となるほどの興奮状態ではない。

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