問題番号 : 106A45

8歳の男児。発熱を主訴に来院した。1週前から39℃前後の発熱が持続していた。全身倦怠感,食欲不振および強い咽頭痛を伴うようになり,食事や水分が摂れなくなったため受診した。半年前に肺炎で入院し,アンピシリンによる治療を受けた際に,発疹が出現して治療薬を変更した既往がある。意識は清明。体温39.2℃。脈拍120/分,整。呼吸数24/分。両側の頸部に径2 cmのリンパ節を3個触知する。リンパ節は表面平滑,軟で,圧痛なく可動性良好である。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦,軟で,右肋骨弓下に軟らかな肝を3 cm,左肋骨弓下に脾を2 cm触知する。皮膚緊張度の低下を認める。尿所見:蛋白(−),糖(−),潜血(−),沈渣に異常を認めない。血液所見:赤血球420万,Hb 12.8 g/dL,Ht 39%,白血球12,800(好中球30%,好酸球1%,好塩基球1%,リンパ球56%,異型リンパ球12%),血小板18万。血液生化学所見:総蛋白6.4 g/dL,アルブミン3.8 g/dl,尿素窒素20 mg/dL,クレアチニン0.6 mg/dL,総ビリルビン0.8 mg/dL,AST 320 IU/L,ALT 196 IU/L,LD 650 IU/L(基準277~580)。咽頭の写真を別に示す。
 初期治療として適切なのはどれか。

正解
a
国試正答率
96%

画像診断
上画像参照。

Assessment

無料会員登録していただくと、実際の解説をすべて見ることができます。急性の呼吸困難を主訴とする疾患としては,喉頭浮腫,気道異物,自然気胸,気管支喘息,慢性閉塞性肺疾患の急性増悪などの呼吸器疾患,心不全(急性,慢性の急性増悪),肺血栓塞栓症などの循環器疾患が代表的である。この症例では呼吸器感染症と心不全が疑われるが,胸部エックス線写真は肺炎像というよりも両心不全を示唆する所見を示している。診断:心不全(両心不全)(Nohria分類wet and warm) 選択肢考察 ×a 強い呼吸困難,胸痛などにより安静が保てない場合には,血管拡張による前負荷軽減と,交感神経抑制による心筋酸素消費量の減少を目的としてモルヒネを使用する。この症例ではモルヒネが必要となるほどの興奮状態ではない。

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