問題番号 : 106A41

78歳の男性。黒色便を主訴に来院した。数日前から心窩部不快感を自覚していた。本日,突然の心窩部痛があり,黒色便に気付いたため受診した。2年前から腰痛のため,自宅近くの診療所で治療を受けている。意識は清明。身長168 cm,体重62 kg。体温36.8℃。脈拍92/分,整。血圧130/86 mmHg。呼吸数16/分。SpO2 98%(room air)。眼瞼結膜は貧血様である。腹部は平坦,軟で,心窩部に軽度の圧痛を認める。腸雑音は亢進している。直腸指診を行うと黒色便が付着した。緊急に施行した上部消化管内視鏡検査の写真(A)(B)を別に示す。
 この患者から聴取された病歴で最も重視すべきなのはどれか。

正解
d
国試正答率
93%

画像診断
上画像参照。

Assessment

無料会員登録していただくと、実際の解説をすべて見ることができます。急性の呼吸困難を主訴とする疾患としては,喉頭浮腫,気道異物,自然気胸,気管支喘息,慢性閉塞性肺疾患の急性増悪などの呼吸器疾患,心不全(急性,慢性の急性増悪),肺血栓塞栓症などの循環器疾患が代表的である。この症例では呼吸器感染症と心不全が疑われるが,胸部エックス線写真は肺炎像というよりも両心不全を示唆する所見を示している。診断:心不全(両心不全)(Nohria分類wet and warm) 選択肢考察 ×a 強い呼吸困難,胸痛などにより安静が保てない場合には,血管拡張による前負荷軽減と,交感神経抑制による心筋酸素消費量の減少を目的としてモルヒネを使用する。この症例ではモルヒネが必要となるほどの興奮状態ではない。

無料会員登録して、解説をすべて見る