問題番号 : 106A33

51歳の女性。咳嗽と膿性痰とを主訴に来院した。3年前から咳嗽と喀痰とを自覚していたがそのままにしていた。6か月前から痰の性状が黄色となり,量も増加してきたため受診した。47歳時に鼻茸切除術の既往がある。喫煙歴はない。体温36.3℃。脈拍88/分,整。血圧112/86 mmHg。呼吸数16/分。後鼻漏を認める。両側の胸部にcoarse cracklesを聴取する。白血球7,800(桿状核好中球10%,分葉核好中球50%,好酸球1%,単球7%,リンパ球32%)。CRP 0.5 mg/dL。肺機能検査所見:%VC 82%,FEV1.0%58%。動脈血ガス分析(自発呼吸,room air):pH 7.41,PaCO2 36 Torr,PaO2 73 Torr,HCO3 22 mEq/L。喀痰Gram染色標本で緑膿菌は認めるが,好中球による貪食像を認めない。胸部エックス線写真で両側肺野にびまん性粒状影を認める。胸部単純CTを別に示す。
 治療として適切なのはどれか。

正解
b
国試正答率
93%

画像診断
上画像参照。

Assessment

無料会員登録していただくと、実際の解説をすべて見ることができます。急性の呼吸困難を主訴とする疾患としては,喉頭浮腫,気道異物,自然気胸,気管支喘息,慢性閉塞性肺疾患の急性増悪などの呼吸器疾患,心不全(急性,慢性の急性増悪),肺血栓塞栓症などの循環器疾患が代表的である。この症例では呼吸器感染症と心不全が疑われるが,胸部エックス線写真は肺炎像というよりも両心不全を示唆する所見を示している。診断:心不全(両心不全)(Nohria分類wet and warm) 選択肢考察 ×a 強い呼吸困難,胸痛などにより安静が保てない場合には,血管拡張による前負荷軽減と,交感神経抑制による心筋酸素消費量の減少を目的としてモルヒネを使用する。この症例ではモルヒネが必要となるほどの興奮状態ではない。

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