出生直後の新生児。呼吸不全のためNICUに入院となった。母親が妊婦健康診査を受けていなかったため,妊娠経過は不明である。3,026 gで出生した。Apgarスコアは3点(1分),4点(5分)。呼吸数72/分で非常に浅い。心拍数88/分,整。全身にチアノーゼを認める。筋緊張は低下し,自発運動に乏しく,泣き声はほとんど聞き取れない。心音と呼吸音とを右胸部でわずかに聴取する。腹部は陥凹し,肝・脾を触知しない。マスクによる酸素投与が行われたが経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉50%のため,直ちに気管挿管し,100%酸素で人工換気を行った。気管挿管後,SpO2は70%まで上昇したが,それ以上の改善は認められなかった。気管挿管後の胸部エックス線写真を別に示す。
この新生児の呼吸不全の原因はどれか。