問題番号 : 105I63

60歳の女性。1か月前からの労作時の息切れを主訴に来院した。6か月前から咳嗽を自覚していた。体温36.7℃。呼吸数20/分。脈拍92/分,整。血圧138/76 mmHg。聴診で両側下肺野にfine cracklesを聴取する。血液所見:赤血球420万,Hb 14.2 g/dL,Ht 42%,白血球5,800,血小板28万。免疫学所見:CRP 0.3 mg/dL,CEA 2.3 ng/mL(基準5以下)。血液生化学検査に異常を認めない。胸部エックス線写真(A),胸部CT(B)及び気管支肺胞洗浄液の写真(C)を別に示す。
 治療として適切なのはどれか。

正解
d
国試正答率
88%

画像診断
上画像参照。

Assessment

無料会員登録していただくと、実際の解説をすべて見ることができます。急性の呼吸困難を主訴とする疾患としては,喉頭浮腫,気道異物,自然気胸,気管支喘息,慢性閉塞性肺疾患の急性増悪などの呼吸器疾患,心不全(急性,慢性の急性増悪),肺血栓塞栓症などの循環器疾患が代表的である。この症例では呼吸器感染症と心不全が疑われるが,胸部エックス線写真は肺炎像というよりも両心不全を示唆する所見を示している。診断:心不全(両心不全)(Nohria分類wet and warm) 選択肢考察 ×a 強い呼吸困難,胸痛などにより安静が保てない場合には,血管拡張による前負荷軽減と,交感神経抑制による心筋酸素消費量の減少を目的としてモルヒネを使用する。この症例ではモルヒネが必要となるほどの興奮状態ではない。

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