問題番号 : 105H35

本問は,105H35~36の連問の一部です。

 27歳の男性。突然の胸背部痛のため搬入された。
現病歴:車の運転中,激烈な胸痛を突然自覚し,その後,背部にも痛みを伴うようになった。症状が改善しなかったため直ちに救急車を要請した。
既往歴:18歳時に気胸。
家族歴:母親が38歳時に突然死。
現 症:意識は清明。身長183 cm,体重62 kg。呼吸数20/分。脈拍96/分,整。血圧102/60 mmHg。頸静脈の怒張を認める。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦,軟で,肝・脾を触知せず,拍動性腫瘤を触知しない。
検査所見:血液所見:赤血球490万,Hb 14.2 g/dL,Ht 40%,白血球9,900,血小板22万。血液生化学所見:血糖96 mg/dL,総蛋白7.4 g/dL,アルブミン3.8 g/dL,尿素窒素14 mg/dL,クレアチニン0.8 mg/dL,総ビリルビン1.0 mg/dL,AST 24 IU/L,ALT 17 IU/L。心電図で異常を認めない。内頸静脈から中心静脈カテーテルを挿入した後に撮影した胸部造影CTを別に示す。
 この患者の身体所見として最も考えられるのはどれか。

正解
e
国試正答率
95%

画像診断
上画像参照。

Assessment

無料会員登録していただくと、実際の解説をすべて見ることができます。急性の呼吸困難を主訴とする疾患としては,喉頭浮腫,気道異物,自然気胸,気管支喘息,慢性閉塞性肺疾患の急性増悪などの呼吸器疾患,心不全(急性,慢性の急性増悪),肺血栓塞栓症などの循環器疾患が代表的である。この症例では呼吸器感染症と心不全が疑われるが,胸部エックス線写真は肺炎像というよりも両心不全を示唆する所見を示している。診断:心不全(両心不全)(Nohria分類wet and warm) 選択肢考察 ×a 強い呼吸困難,胸痛などにより安静が保てない場合には,血管拡張による前負荷軽減と,交感神経抑制による心筋酸素消費量の減少を目的としてモルヒネを使用する。この症例ではモルヒネが必要となるほどの興奮状態ではない。

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