問題番号 : 105H34

本問は,105H33~34の連問の一部です。

 62歳の女性。呼吸困難のため搬入された。
現病歴:朝食前の散歩中に誤って転倒し右腰部を打撲した。帰宅後,痛みが強くなったためアスピリン製剤を内服した。それまでアスピリン製剤を服用したことはなかった。その後,次第に息苦しさを感じるようになり,立っていられなくなったため救急車を要請した。
既往歴:小児期に副鼻腔炎。
生活歴:飲酒は機会飲酒。
家族歴:特記すべきことはない。
現 症:意識は清明。身長152 cm,体重50 kg。体温36.8℃。呼吸数18/分,呼気の延長を認める。脈拍108/分,整。血圧128/82 mmHg。経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉86%。心音に異常を認めない。腹部は平坦,軟で,肝・脾を触知しない。四肢に浮腫はなく,皮膚の色調に異常を認めない。
 まず行うべき処置はどれか。

正解
c
国試正答率
90%

Assessment
①アスピリン製剤内服後に呼吸困難 ⇒ アスピリン製剤との

無料会員登録していただくと、実際の解説をすべて見ることができます。急性の呼吸困難を主訴とする疾患としては,喉頭浮腫,気道異物,自然気胸,気管支喘息,慢性閉塞性肺疾患の急性増悪などの呼吸器疾患,心不全(急性,慢性の急性増悪),肺血栓塞栓症などの循環器疾患が代表的である。この症例では呼吸器感染症と心不全が疑われるが,胸部エックス線写真は肺炎像というよりも両心不全を示唆する所見を示している。診断:心不全(両心不全)(Nohria分類wet and warm) 選択肢考察 ×a 強い呼吸困難,胸痛などにより安静が保てない場合には,血管拡張による前負荷軽減と,交感神経抑制による心筋酸素消費量の減少を目的としてモルヒネを使用する。この症例ではモルヒネが必要となるほどの興奮状態ではない。

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