問題番号 : 105F30

本問は,105F30~31の連問の一部です。

 77歳の男性。発熱と咳とを主訴に来院した。
現病歴:1週前から咳と黄色の喀痰とを自覚していた。2日前から発熱があり,倦怠感が強くなったため受診した。胸痛と呼吸困難とはなかった。
既往歴:5年前から糖尿病と脂質異常症とで内服治療中。
生活歴:喫煙歴はない。飲酒は日本酒1合/日を50年間。
家族歴:特記すべきことはない。
現 症:意識は清明。身長165cm,体重72kg。体温38.6℃。呼吸数28/分。脈拍104/分,整。血圧152/90mmHg。経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉93%。眼瞼結膜に貧血を認めない。眼球結膜に黄染を認めない。咽頭に異常を認めない。心音に異常を認めない。呼吸音は右背部で減弱している。腹部は平坦,軟で,圧痛を認めない。肝・脾を触知しない。下肢に浮腫を認めない。
 この患者の聴診で認められるのはどれか。

正解
c
国試正答率
72%

Assessment
①77歳の男性 ⇒ 高齢であり免疫能の低下を考慮する

無料会員登録していただくと、実際の解説をすべて見ることができます。急性の呼吸困難を主訴とする疾患としては,喉頭浮腫,気道異物,自然気胸,気管支喘息,慢性閉塞性肺疾患の急性増悪などの呼吸器疾患,心不全(急性,慢性の急性増悪),肺血栓塞栓症などの循環器疾患が代表的である。この症例では呼吸器感染症と心不全が疑われるが,胸部エックス線写真は肺炎像というよりも両心不全を示唆する所見を示している。診断:心不全(両心不全)(Nohria分類wet and warm) 選択肢考察 ×a 強い呼吸困難,胸痛などにより安静が保てない場合には,血管拡張による前負荷軽減と,交感神経抑制による心筋酸素消費量の減少を目的としてモルヒネを使用する。この症例ではモルヒネが必要となるほどの興奮状態ではない。

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