47歳の女性。下痢と体重減少とを主訴に来院した。Crohn病に対して6年前までに計3回の小腸部分切除術が施行され,約90 cmの空腸と20 cmの終末回腸が残存していた。カテーテルによる発熱を繰り返し,右鎖骨下静脈の血栓性狭窄も起こしたため,4年前から中心静脈栄養は行っていなかった。経腸栄養にて排便回数が5~6回/日程度に落ち着いてきたため,約2年前に本人の希望で経口食に変更した。薬物はメサラジンのみを内服していた。2週前から下痢が10回/日以上となり,体重も2週間で約3 kg減少したため来院した。意識は清明。身長156 cm,体重34 kg。体温37.2℃。脈拍72/分,整。血圧90/52 mmHg。腹部に圧痛を認めない。腸雑音は亢進している。血液所見:赤血球323万,Hb 11.4 g/dL,Ht 34%,白血球5,200,血小板17万。血液生化学所見:アルブミン3.2 g/dL,尿素窒素20 mg/dL,クレアチニン0.8 mg/dL,AST 26 IU/L,ALT 38 IU/L,ALP 863 IU/L(基準115~359),Na 138 mEq/L,K 3.2 mEq/L,Cl 108 mEq/L,Ca 8.0 mg/dL。CRP 0.6 mg/dL。腹部造影CTで残存小腸の軽度拡張と回盲部近傍の小腸壁肥厚とを認める。本人は外来での治療を希望している。
まず行う栄養管理として適切なのはどれか。