問題番号 : 105E48

70歳の男性。離島に居住している。晴天の朝,自宅近くで農作業中に突然の強い胸痛と呼吸困難とを自覚し,島内にある無床診療所を受診した。胸痛は2時間持続している。5年前から高血圧症と脂質異常症のために通院している。意識は清明。表情は苦悶様。心電図で完全房室ブロックとⅡ,Ⅲ,aVF誘導のST上昇とを認める。島内にはこの診療所以外に医療施設はない。
 対応として適切でないのはどれか。

正解
c
国試正答率
94%

Assessment
①高血圧症と脂質異常症を治療中の70歳の男性が,突然の強

無料会員登録していただくと、実際の解説をすべて見ることができます。急性の呼吸困難を主訴とする疾患としては,喉頭浮腫,気道異物,自然気胸,気管支喘息,慢性閉塞性肺疾患の急性増悪などの呼吸器疾患,心不全(急性,慢性の急性増悪),肺血栓塞栓症などの循環器疾患が代表的である。この症例では呼吸器感染症と心不全が疑われるが,胸部エックス線写真は肺炎像というよりも両心不全を示唆する所見を示している。診断:心不全(両心不全)(Nohria分類wet and warm) 選択肢考察 ×a 強い呼吸困難,胸痛などにより安静が保てない場合には,血管拡張による前負荷軽減と,交感神経抑制による心筋酸素消費量の減少を目的としてモルヒネを使用する。この症例ではモルヒネが必要となるほどの興奮状態ではない。

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