問題番号 : 105D40

52歳の男性。労作時の息切れを主訴に来院した。1か月前に歯科治療を受け,数日後に全身倦怠感と発熱とが出現した。その後,労作時の息切れが出現し,徐々に増悪したため来院した。既往歴に特記すべきことはない。意識は清明。体温38.5℃。脈拍104/分,整。血圧140/82 mmHg。心尖部で3/6度の全収縮期雑音を聴取する。呼吸音に異常を認めない。神経学的に異常を認めない。血液培養検査にてグラム陽性球菌が検出された。抗菌薬の静注を開始したが,炎症所見の改善はみられなかった。心エコー図を別に示す。
 この病態で出現すると考えにくいのはどれか。

正解
b
国試正答率
94%

画像診断
上画像参照。

Assessment

無料会員登録していただくと、実際の解説をすべて見ることができます。急性の呼吸困難を主訴とする疾患としては,喉頭浮腫,気道異物,自然気胸,気管支喘息,慢性閉塞性肺疾患の急性増悪などの呼吸器疾患,心不全(急性,慢性の急性増悪),肺血栓塞栓症などの循環器疾患が代表的である。この症例では呼吸器感染症と心不全が疑われるが,胸部エックス線写真は肺炎像というよりも両心不全を示唆する所見を示している。診断:心不全(両心不全)(Nohria分類wet and warm) 選択肢考察 ×a 強い呼吸困難,胸痛などにより安静が保てない場合には,血管拡張による前負荷軽減と,交感神経抑制による心筋酸素消費量の減少を目的としてモルヒネを使用する。この症例ではモルヒネが必要となるほどの興奮状態ではない。

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