56歳の女性。下腹部の違和感と膨満感とを主訴に来院した。50歳で閉経するまでは月経痛が強く,月経時以外でも腰痛と排便痛とがみられた。身長156 cm,体重60 kg,体温36.8℃。脈拍84/分,整。血圧132/84 mmHg。下腹部は膨隆し,恥骨上から臍下にかけて約8 cmの柔らかい腫瘤を触知する。血液生化学所見に異常を認めない。免疫学所見:CEA 1.3 ng/mL(基準5以下),CA19-9 25 U/mL(基準37以下),CA125 88 U/mL(基準35以下)。術前の骨盤部MRIのT2強調矢状断像(A)と造影T1強調矢状断像(B)とを別に示す。手術が施行され,卵巣腫瘍と診断された。摘出された腫瘍の病理組織H-E染色標本(C)(D)を別に示す。
考えられるのはどれか。