問題番号 : 105C20

20歳の男性。火災で受傷したため搬入された。2時間前に自宅で就寝中に火災となり,廊下で倒れているところを発見された。意識レベルはJCSⅠ-2。体温37.0℃。呼吸数34/分。脈拍112/分,整。血圧90/62 mmHg。嗄声があり,喘鳴を聴取する。顔面,胸部,右上肢に水疱形成を伴う熱傷創がみられる。心音に異常を認めない。動脈血ガス分析(自発呼吸,マスクで酸素投与6 L/分):pH 7.36,PaCO2 45 Torr,PaO2 160 Torr,HCO3 25.0 mEq/L,血中一酸化炭素ヘモグロビン濃度15%(基準1以下)。
 まず行うべき対応はどれか。

正解
b
国試正答率
92%

Assessment
①自宅で火災 ⇒ 閉鎖空間での火炎による場合,熱傷のみな

無料会員登録していただくと、実際の解説をすべて見ることができます。急性の呼吸困難を主訴とする疾患としては,喉頭浮腫,気道異物,自然気胸,気管支喘息,慢性閉塞性肺疾患の急性増悪などの呼吸器疾患,心不全(急性,慢性の急性増悪),肺血栓塞栓症などの循環器疾患が代表的である。この症例では呼吸器感染症と心不全が疑われるが,胸部エックス線写真は肺炎像というよりも両心不全を示唆する所見を示している。診断:心不全(両心不全)(Nohria分類wet and warm) 選択肢考察 ×a 強い呼吸困難,胸痛などにより安静が保てない場合には,血管拡張による前負荷軽減と,交感神経抑制による心筋酸素消費量の減少を目的としてモルヒネを使用する。この症例ではモルヒネが必要となるほどの興奮状態ではない。

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