問題番号 : 105A54

3か月の乳児。激しい咳を主訴に来院した。2週前に咳が出現し,次第に強くなってきた。今朝からは激しく咳込んだ後に笛が鳴るような呼吸音がしている。保育所で同様の症状の児が複数いるという。呼吸数36/分。心拍数140/分,整。両眼瞼は浮腫状。咽頭は軽度発赤しており,舌圧子を入れると咳込む。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦で,右肋骨弓下に肝を2 cm触知する。脾を触知しない。血液所見:赤血球430万,Hb 12.0 g/dL,Ht 36%,白血球21,000(桿状核好中球6%,分葉核好中球20%,単球2%,リンパ球72%)。
 注意すべき合併症はどれか。2つ選べ

正解
a, c
国試正答率
29%

Assessment
①笛が鳴るような呼吸音 ⇒ 気道閉塞による吸気性笛声音で

無料会員登録していただくと、実際の解説をすべて見ることができます。急性の呼吸困難を主訴とする疾患としては,喉頭浮腫,気道異物,自然気胸,気管支喘息,慢性閉塞性肺疾患の急性増悪などの呼吸器疾患,心不全(急性,慢性の急性増悪),肺血栓塞栓症などの循環器疾患が代表的である。この症例では呼吸器感染症と心不全が疑われるが,胸部エックス線写真は肺炎像というよりも両心不全を示唆する所見を示している。診断:心不全(両心不全)(Nohria分類wet and warm) 選択肢考察 ×a 強い呼吸困難,胸痛などにより安静が保てない場合には,血管拡張による前負荷軽減と,交感神経抑制による心筋酸素消費量の減少を目的としてモルヒネを使用する。この症例ではモルヒネが必要となるほどの興奮状態ではない。

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