問題番号 : 105A42

78歳の男性。血痰を主訴に来院した。5か月前から咳嗽と喀痰とを自覚していたが,そのままにしていた。本日急に血痰を認めたため受診した。20年前に肺結核の既往がある。意識は清明。身長165 cm,体重52 kg。体温37.3℃。呼吸数18/分。脈拍92/分,整。血圧110/70 mmHg。呼吸音は右上肺野で弱く,coarse cracklesを聴取する。喘鳴を認めない。血液所見:白血球11,000(桿状核好中球7%,分葉核好中球59%,好酸球1%,単球10%,リンパ球23%)。CRP 1.8 mg/dL。胸部エックス線写真(A)と胸部単純CT(B)とを別に示す。
 治療薬として適切なのはどれか。

正解
b
国試正答率
51%

画像診断
上画像参照。

Assessment

無料会員登録していただくと、実際の解説をすべて見ることができます。急性の呼吸困難を主訴とする疾患としては,喉頭浮腫,気道異物,自然気胸,気管支喘息,慢性閉塞性肺疾患の急性増悪などの呼吸器疾患,心不全(急性,慢性の急性増悪),肺血栓塞栓症などの循環器疾患が代表的である。この症例では呼吸器感染症と心不全が疑われるが,胸部エックス線写真は肺炎像というよりも両心不全を示唆する所見を示している。診断:心不全(両心不全)(Nohria分類wet and warm) 選択肢考察 ×a 強い呼吸困難,胸痛などにより安静が保てない場合には,血管拡張による前負荷軽減と,交感神経抑制による心筋酸素消費量の減少を目的としてモルヒネを使用する。この症例ではモルヒネが必要となるほどの興奮状態ではない。

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