問題番号 : 105A39

82歳の男性。尿量の減少と全身倦怠感とを主訴に来院した。3年前に胃癌にて胃全摘術を受けたが,受診は2年前から中断している。意識は清明。体温36.7℃。血圧144/94 mmHg。上腹部に手術痕を,両下肢に強い浮腫を認める。その他の身体診察所見に明らかな異常を認めない。血液所見:赤血球362万,Hb 10.8 g/dL,Ht 28%。血液生化学所見:尿素窒素40 mg/dL,クレアチニン2.8 mg/dL,総ビリルビン1.0 mg/dL,AST 38 IU/L,ALT 42 IU/L,Na 132 mEq/L,K 5.6 mEq/L,Cl 98 mEq/L。腹部超音波検査で膀胱内に尿を認めない。胸部エックス線写真にて心胸郭比58%。胸部単純CTを別に示す。
 まず行う処置として適切なのはどれか。

正解
a
国試正答率
81%

画像診断
上画像参照。

Assessment

無料会員登録していただくと、実際の解説をすべて見ることができます。急性の呼吸困難を主訴とする疾患としては,喉頭浮腫,気道異物,自然気胸,気管支喘息,慢性閉塞性肺疾患の急性増悪などの呼吸器疾患,心不全(急性,慢性の急性増悪),肺血栓塞栓症などの循環器疾患が代表的である。この症例では呼吸器感染症と心不全が疑われるが,胸部エックス線写真は肺炎像というよりも両心不全を示唆する所見を示している。診断:心不全(両心不全)(Nohria分類wet and warm) 選択肢考察 ×a 強い呼吸困難,胸痛などにより安静が保てない場合には,血管拡張による前負荷軽減と,交感神経抑制による心筋酸素消費量の減少を目的としてモルヒネを使用する。この症例ではモルヒネが必要となるほどの興奮状態ではない。

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