問題番号 : 105A35

32歳の女性。暑がり,発汗過多,手指振戦および労作時の動悸を主訴に来院した。2週前から症状が出現したという。感冒様症状の先行はない。身長162 cm,体重52 kg。体温36.2℃。呼吸数28/分。脈拍104/分,整。血圧128/72 mmHg。甲状腺はびまん性に腫大,弾性硬,表面に軽度凹凸を認め,圧痛を認めない。皮膚は湿潤し,手指に振戦を認める。血液生化学所見:総コレステロール105 mg/dL,AST 20 IU/L,ALT 26 IU/L,TSH 0.1 μU/mL(基準0.2~4.0),FT4 3.2 ng/dL(基準0.8~2.2)。99mTcO4甲状腺シンチグラムを別に示す。
 考えられるのはどれか。

正解
c
国試正答率
63%

画像診断
上画像参照。

Assessment

無料会員登録していただくと、実際の解説をすべて見ることができます。急性の呼吸困難を主訴とする疾患としては,喉頭浮腫,気道異物,自然気胸,気管支喘息,慢性閉塞性肺疾患の急性増悪などの呼吸器疾患,心不全(急性,慢性の急性増悪),肺血栓塞栓症などの循環器疾患が代表的である。この症例では呼吸器感染症と心不全が疑われるが,胸部エックス線写真は肺炎像というよりも両心不全を示唆する所見を示している。診断:心不全(両心不全)(Nohria分類wet and warm) 選択肢考察 ×a 強い呼吸困難,胸痛などにより安静が保てない場合には,血管拡張による前負荷軽減と,交感神経抑制による心筋酸素消費量の減少を目的としてモルヒネを使用する。この症例ではモルヒネが必要となるほどの興奮状態ではない。

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