問題番号 : 104H29

72歳の男性。肺結核による胸郭成形術を行い,長年にわたり在宅酸素療法を行っている。通常の酸素投与量は0.25 L/分である。担当医の指示どおり,パルスオキシメーターを購入し,労作時や労作後の酸素飽和度を自己測定し,経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉が90%以下に低下したときは,90%以上に戻るまで酸素吸入量を一時的に調節する自己管理を行っていた。本日夕方から,SpO2が80%近くに低下したので酸素吸入量を0.5 L/分に増やし1時間様子を見ていたが,SpO2は90%を超えなかった。呼吸困難の程度は普段と変わりはなかった。
 電話で相談を受けた当直医の指示で正しいのはどれか。

正解
c
国試正答率
83%

Assessment
①72歳の男性,胸郭成形術施行 ⇒ 呼吸器系機能低下

無料会員登録していただくと、実際の解説をすべて見ることができます。急性の呼吸困難を主訴とする疾患としては,喉頭浮腫,気道異物,自然気胸,気管支喘息,慢性閉塞性肺疾患の急性増悪などの呼吸器疾患,心不全(急性,慢性の急性増悪),肺血栓塞栓症などの循環器疾患が代表的である。この症例では呼吸器感染症と心不全が疑われるが,胸部エックス線写真は肺炎像というよりも両心不全を示唆する所見を示している。診断:心不全(両心不全)(Nohria分類wet and warm) 選択肢考察 ×a 強い呼吸困難,胸痛などにより安静が保てない場合には,血管拡張による前負荷軽減と,交感神経抑制による心筋酸素消費量の減少を目的としてモルヒネを使用する。この症例ではモルヒネが必要となるほどの興奮状態ではない。

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