問題番号 : 104G69

78歳の男性。帰宅途中に転倒し顔面を打撲したため搬入された。72歳から胃食道逆流症で通院治療中である。10日前に仕事からの帰宅時に尿失禁をしたが,意識障害や麻痺は伴わなかった。5日前の定期来院時,同伴の家族は少し元気がないと訴えたが,本人はそれを否定した。バイタルサイン,心肺および神経学的に異常所見を認めず帰宅した。搬入時,激しい頭痛や嘔吐はないが,右上肢が動かしづらいと訴える。意識は清明。体温 36.8℃。脈拍92/分,整。血圧154/64 mmHg。右前額部から眼窩部にかけて皮下出血を認める。眼瞼結膜に貧血を認めない。右眼球結膜に出血を認める。胸部と腹部とに異常を認めない。神経学的所見で右指鼻試験がやや稚拙であるが,他に異常を認めない。尿所見,血液所見および血液生化学所見に異常を認めない。心電図と胸部エックス線写真とに異常を認めない。頭部単純CTを別に示す。
 考えられるのはどれか。

正解
e
国試正答率
86%

画像診断
上画像参照。

Assessment

無料会員登録していただくと、実際の解説をすべて見ることができます。急性の呼吸困難を主訴とする疾患としては,喉頭浮腫,気道異物,自然気胸,気管支喘息,慢性閉塞性肺疾患の急性増悪などの呼吸器疾患,心不全(急性,慢性の急性増悪),肺血栓塞栓症などの循環器疾患が代表的である。この症例では呼吸器感染症と心不全が疑われるが,胸部エックス線写真は肺炎像というよりも両心不全を示唆する所見を示している。診断:心不全(両心不全)(Nohria分類wet and warm) 選択肢考察 ×a 強い呼吸困難,胸痛などにより安静が保てない場合には,血管拡張による前負荷軽減と,交感神経抑制による心筋酸素消費量の減少を目的としてモルヒネを使用する。この症例ではモルヒネが必要となるほどの興奮状態ではない。

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