問題番号 : 104G63

本問は,104G61~63の連問の一部です。

 43歳の男性。嗄声と息苦しさとを主訴に搬入された。
現病歴:庭で草花の手入れをしていて指を蜂に刺された。数分後口渇感に続いて嗄声を生じ,息苦しさを感じた。一緒にいた家族が救急車を要請した。
既往歴:以前,蜂に刺されたことがあったが,治療を要するほどではなかった。アレルギー歴に特記すべきことはない。
家族歴:特記すべきことはない。
現 症:意識は清明。身長172 cm,体重60 kg。呼吸数24/分。脈拍112/分,整。血圧90/58 mmHg。顔面は浮腫状である。心音に異常を認めない。呼気時に喘鳴を聴取する。四肢は温かい。
検査所見:動脈血ガス分析(自発呼吸,room air):pH 7.50,PaO2 78 Torr,PaCO2 30 Torr,HCO320 mEq/L。
 処置として適切でないのはどれか。

正解
a
国試正答率
98%

Assessment
①蜂に刺された数分後から,口渇,嗄声,呼吸苦が出現 ⇒

無料会員登録していただくと、実際の解説をすべて見ることができます。急性の呼吸困難を主訴とする疾患としては,喉頭浮腫,気道異物,自然気胸,気管支喘息,慢性閉塞性肺疾患の急性増悪などの呼吸器疾患,心不全(急性,慢性の急性増悪),肺血栓塞栓症などの循環器疾患が代表的である。この症例では呼吸器感染症と心不全が疑われるが,胸部エックス線写真は肺炎像というよりも両心不全を示唆する所見を示している。診断:心不全(両心不全)(Nohria分類wet and warm) 選択肢考察 ×a 強い呼吸困難,胸痛などにより安静が保てない場合には,血管拡張による前負荷軽減と,交感神経抑制による心筋酸素消費量の減少を目的としてモルヒネを使用する。この症例ではモルヒネが必要となるほどの興奮状態ではない。

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