問題番号 : 104F29

本問は,104F28~29の連問の一部です。

 35歳の女性。発熱と咳とを主訴に来院した。
現病歴:2週前から発熱と咳嗽とが出現し,日ごとに悪化している。
既往歴:特記すべきことはない。薬物アレルギー歴はない。
家族歴:特記すべきことはない。
生活歴:海外渡航歴はない。ペットは飼育していない。
現 症:意識は清明。身長150 cm,体重54 kg。体温38.7℃。呼吸数32/分。脈拍108/分,整。血圧80/60 mmHg。経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉88%。舌・口腔粘膜に乾燥を認める。右下肺野背面にcoarse cracklesを聴取する。腹部は平坦,軟で,肝・脾を触知しない。下肢に浮腫を認めない。
検査所見:血液所見:赤血球428万,Hb 11.9 g/dL,Ht 30%,白血球11,200(桿状核+分葉核好中球78%,好酸球1%,好塩基球1%,単球8%,リンパ球12%),血小板35万。血液生化学所見:総蛋白7.0 g/dL,アルブミン3.5 g/dL,尿素窒素25 mg/dL,クレアチニン0.9 mg/dL,総ビリルビン1.0 mg/dL,AST 27 IU/L,ALT 25 IU/L,LD 250 IU/L(基準176~353)。CRP 8.1 mg/dL。胸部エックス線写真(A)と喀痰のGram染色標本(B)とを別に示す。
 外来受診時の血液検査で菌血症は認められない。治療を開始し臨床症状は軽快に向かった。
 治療を終了する目安はどれか。

正解
b
国試正答率
61%

画像診断
上画像参照。

Assessment

無料会員登録していただくと、実際の解説をすべて見ることができます。急性の呼吸困難を主訴とする疾患としては,喉頭浮腫,気道異物,自然気胸,気管支喘息,慢性閉塞性肺疾患の急性増悪などの呼吸器疾患,心不全(急性,慢性の急性増悪),肺血栓塞栓症などの循環器疾患が代表的である。この症例では呼吸器感染症と心不全が疑われるが,胸部エックス線写真は肺炎像というよりも両心不全を示唆する所見を示している。診断:心不全(両心不全)(Nohria分類wet and warm) 選択肢考察 ×a 強い呼吸困難,胸痛などにより安静が保てない場合には,血管拡張による前負荷軽減と,交感神経抑制による心筋酸素消費量の減少を目的としてモルヒネを使用する。この症例ではモルヒネが必要となるほどの興奮状態ではない。

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