問題番号 : 104F24

72歳の女性。がんの終末期で在宅医療を利用している。2か月前に膵癌で入院し,肝,肺および骨への転移が見つかった。病状を知った本人と,主な介護者である夫とが自宅で穏やかに過ごすことを強く希望し,1か月前に自宅へ退院した。3日前から呼吸困難,強い疼痛および不眠を訴えるようになり,「憂うつで,もう死んだほうがましだ」と言うようになった。夫は妻の苦しむ姿を見ていられない。
 在宅医療を担当する医師の対応として適切でないのはどれか。

正解
a
国試正答率
95%

Assessment
 在宅緩和ケアのポイントは身体的苦痛を除去するのはもちろ

無料会員登録していただくと、実際の解説をすべて見ることができます。急性の呼吸困難を主訴とする疾患としては,喉頭浮腫,気道異物,自然気胸,気管支喘息,慢性閉塞性肺疾患の急性増悪などの呼吸器疾患,心不全(急性,慢性の急性増悪),肺血栓塞栓症などの循環器疾患が代表的である。この症例では呼吸器感染症と心不全が疑われるが,胸部エックス線写真は肺炎像というよりも両心不全を示唆する所見を示している。診断:心不全(両心不全)(Nohria分類wet and warm) 選択肢考察 ×a 強い呼吸困難,胸痛などにより安静が保てない場合には,血管拡張による前負荷軽減と,交感神経抑制による心筋酸素消費量の減少を目的としてモルヒネを使用する。この症例ではモルヒネが必要となるほどの興奮状態ではない。

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