76歳の女性。一過性意識障害と四肢冷感とを主訴に来院した。2日前に前頸部に突然痛みが出現し,その後胸痛が加わったため早めに就寝した。背部痛で一時覚醒したが,翌朝には胸痛と背部痛とは軽減していた。かかりつけの診療所を受診し,高血圧に対してβ遮断薬を処方された。本日の午前3時ころ排尿後に約5分間意識消失した。意識回復後,四肢冷感と倦怠感とが持続したため,午前10時独歩で受診した。52歳時に高血圧症,74歳時に糖尿病を指摘されている。意識は清明。体温35.8℃。脈拍72/分,整。血圧104/80 mmHg。経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉96%。胸部と腹部とに異常を認めない。神経学的所見に異常を認めない。血液所見:赤血球418万,Hb 12.7 g/dL,Ht 40%,白血球9,300,血小板13万。血液生化学所見:血糖229 mg/dL,尿素窒素23 mg/dL,クレアチニン1.0 mg/dL,AST 98 IU/L,ALT 50 IU/L,LD 526 IU/L(基準176~353),ALP 189 IU/L(基準115~359),CK 215 IU/L(基準30~140),CK-MB 15 IU/L(基準20以下),Na 135 mEq/L,K 4.8 mEq/L,Cl 100 mEq/L。CRP 2.1 mg/dL。胸部エックス線写真(A)と12誘導心電図(B)とを別に示す。
次に行うのはどれか。