問題番号 : 104D51

45歳の男性。農業に従事している。意識障害のため搬入された。夕食後,自宅倉庫へ行ったまま2時間以上たっても戻らないのを心配した家族が見に行き,倒れているのを発見した。搬送した救急隊員によると,そばに空ビンがころがり,床の吐物には有機溶剤臭があった。意識レベルはJCSⅡ-20。身長165 cm,体重58 kg。体温36.0℃。脈拍44/分,整。血圧100/58 mmHg。縮瞳を認める。皮膚は湿潤していて発赤はない。骨格筋の線維束攣縮が認められる。腹部は平坦,軟で,肝・脾を触知しない。尿所見:外観は淡黄色透明,蛋白(-),糖(-)。血液所見:赤血球500万,白血球6,200,血小板32万。血液生化学所見:アルブミン4.8 g/dL,クレアチニン1.1 mg/dL,総ビリルビン0.8 mg/dL,AST 30 IU/L,ALT 35 IU/L,LD 300 IU/L(基準176~353),ALP 200 IU/L(基準115~359),γ-GTP 30 IU/L(基準8~50),コリンエステラーゼ0 IU/L(基準400~800),アミラーゼ40 IU/L(基準37~160),CK 20 IU/L(基準30~140)。動脈血ガス分析(自発呼吸,room air):PaO2 98 Torr,PaCO2 40 Torr,HCO3 24 mEq/L。
 処置として投与が検討されるのはどれか。2つ選べ

正解
c, e
国試正答率
96%

Assessment
①床の吐物には有機溶剤臭 ⇒ 有機物による中毒を疑う

無料会員登録していただくと、実際の解説をすべて見ることができます。急性の呼吸困難を主訴とする疾患としては,喉頭浮腫,気道異物,自然気胸,気管支喘息,慢性閉塞性肺疾患の急性増悪などの呼吸器疾患,心不全(急性,慢性の急性増悪),肺血栓塞栓症などの循環器疾患が代表的である。この症例では呼吸器感染症と心不全が疑われるが,胸部エックス線写真は肺炎像というよりも両心不全を示唆する所見を示している。診断:心不全(両心不全)(Nohria分類wet and warm) 選択肢考察 ×a 強い呼吸困難,胸痛などにより安静が保てない場合には,血管拡張による前負荷軽減と,交感神経抑制による心筋酸素消費量の減少を目的としてモルヒネを使用する。この症例ではモルヒネが必要となるほどの興奮状態ではない。

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