問題番号 : 104D50

58歳の女性。咳と血痰とを主訴に来院した。2年前から咳と痰とが出るようになった。1か月前から咳が強くなり,3日前から血痰が出たため受診した。13歳時に副鼻腔炎で両側を手術した。体温37.2℃。両側の前胸下部に弱いfine cracklesを聴取する。血液所見:赤血球420万,Hb 11.8 g/dL,Ht 40%,白血球6,800,血小板18万。血液生化学所見に異常を認めない。CRP 0.8 mg/dL。喀痰の抗酸菌塗抹検査が3回連続で陽性となったが,同時に行った結核菌PCR検査は陰性だった。胸部エックス線写真(A)と胸部単純CT(B)とを別に示す。止血剤の投与で血痰は消失したが,咳は増強し,1か月後の画像は増悪していた。抗菌薬を3剤用いて治療を開始することとした。
 リファンピシンとエタンブトールに加えて選択するのはどれか。

正解
e
国試正答率
81%

画像診断
上画像参照。

Assessment

無料会員登録していただくと、実際の解説をすべて見ることができます。急性の呼吸困難を主訴とする疾患としては,喉頭浮腫,気道異物,自然気胸,気管支喘息,慢性閉塞性肺疾患の急性増悪などの呼吸器疾患,心不全(急性,慢性の急性増悪),肺血栓塞栓症などの循環器疾患が代表的である。この症例では呼吸器感染症と心不全が疑われるが,胸部エックス線写真は肺炎像というよりも両心不全を示唆する所見を示している。診断:心不全(両心不全)(Nohria分類wet and warm) 選択肢考察 ×a 強い呼吸困難,胸痛などにより安静が保てない場合には,血管拡張による前負荷軽減と,交感神経抑制による心筋酸素消費量の減少を目的としてモルヒネを使用する。この症例ではモルヒネが必要となるほどの興奮状態ではない。

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