問題番号 : 104A47

35歳の男性。2週前から続く血尿と血痰とを主訴に来院した。意識は清明。身長171 cm,体重63 kg。体温37.2 ℃。脈拍80/分,整。血圧172/104 mmHg。眼瞼と両側下腿とに浮腫を認める。両側上中肺野にcoarse cracklesを聴取する。尿所見:肉眼的血尿,蛋白2+,糖(-)。血液所見:赤血球350万,Hb 10.2 g/dL,Ht 30%,白血球8,200,血小板16万。血液生化学所見:総蛋白6.4 g/dL,アルブミン4.5 g/dL,尿素窒素52 mg/dL,クレアチニン4.7 mg/dL,尿酸7.5 mg/dL。胸部エックス線写真で両側上中肺野に斑状陰影を認める。全身状態が悪く,腎生検を施行できない。正常ヒト糸球体組織に患者血清と標識抗ヒトIgG抗体とを反応させた蛍光写真を別に示す。
 病態として考えられるのはどれか。

正解
d
国試正答率
81%

画像診断
上画像参照。

Assessment

無料会員登録していただくと、実際の解説をすべて見ることができます。急性の呼吸困難を主訴とする疾患としては,喉頭浮腫,気道異物,自然気胸,気管支喘息,慢性閉塞性肺疾患の急性増悪などの呼吸器疾患,心不全(急性,慢性の急性増悪),肺血栓塞栓症などの循環器疾患が代表的である。この症例では呼吸器感染症と心不全が疑われるが,胸部エックス線写真は肺炎像というよりも両心不全を示唆する所見を示している。診断:心不全(両心不全)(Nohria分類wet and warm) 選択肢考察 ×a 強い呼吸困難,胸痛などにより安静が保てない場合には,血管拡張による前負荷軽減と,交感神経抑制による心筋酸素消費量の減少を目的としてモルヒネを使用する。この症例ではモルヒネが必要となるほどの興奮状態ではない。

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