問題番号 : 103I75
56歳の男性。大腿骨腫瘍で入院治療中。早朝離床時に突然の胸痛と呼吸困難とを訴えた。体温37.0℃。呼吸数28/分。脈拍120/分,整。血圧90/64mmHg。呼吸音に異常を認めない。血液所見:赤血球520万,Hb 16.2g/dL,Ht 48%,白血球11,600,血小板19万。動脈血ガス分析(自発呼吸,room air): pH 7.48,PaO2 55Torr,PaCO2 32Torr。胸部エックス線写真(A)と胸部造影CT(B)とを別に示す。 考えられるのはどれか。
画像診断:上画像参照。Assessment:
無料会員登録していただくと、実際の解説をすべて見ることができます。急性の呼吸困難を主訴とする疾患としては,喉頭浮腫,気道異物,自然気胸,気管支喘息,慢性閉塞性肺疾患の急性増悪などの呼吸器疾患,心不全(急性,慢性の急性増悪),肺血栓塞栓症などの循環器疾患が代表的である。この症例では呼吸器感染症と心不全が疑われるが,胸部エックス線写真は肺炎像というよりも両心不全を示唆する所見を示している。診断:心不全(両心不全)(Nohria分類wet and warm) 選択肢考察 ×a 強い呼吸困難,胸痛などにより安静が保てない場合には,血管拡張による前負荷軽減と,交感神経抑制による心筋酸素消費量の減少を目的としてモルヒネを使用する。この症例ではモルヒネが必要となるほどの興奮状態ではない。