問題番号 : 103H32

本問は,103H31~32の連問の一部です。

 76歳の女性。頭痛,嘔気および嘔吐を訴え,起き上がれないため搬入された。
現病歴:定時に起床しないため家族が訪室したところ,「つらくて起きられない」と訴えた。昨夜は通常通り就寝した。
既往歴:30歳から高血圧の治療を受けている。
生活歴家族歴:特記すべきことはない。
現 症:意識は清明。身長150cm,体重38kg。体温35.7℃。脈拍120/分,整。血圧86/64mmHg。眼瞼結膜に異常を認めない。顔色は不良で,苦悶顔貌。目を閉じて仰臥位をとっている。開眼で嘔気が増強する。前胸部で皮膚ツルゴールが低下し,口腔内は乾燥している。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部はやや膨隆し,臍周囲に圧痛がある。打診では鼓音を認める。
 初期の検査で適切でないのはどれか。

正解
e
国試正答率
88%

Assessment
①頭痛,嘔気および嘔吐 ⇒ 脳血管障害,イレウス,脱水な

無料会員登録していただくと、実際の解説をすべて見ることができます。急性の呼吸困難を主訴とする疾患としては,喉頭浮腫,気道異物,自然気胸,気管支喘息,慢性閉塞性肺疾患の急性増悪などの呼吸器疾患,心不全(急性,慢性の急性増悪),肺血栓塞栓症などの循環器疾患が代表的である。この症例では呼吸器感染症と心不全が疑われるが,胸部エックス線写真は肺炎像というよりも両心不全を示唆する所見を示している。診断:心不全(両心不全)(Nohria分類wet and warm) 選択肢考察 ×a 強い呼吸困難,胸痛などにより安静が保てない場合には,血管拡張による前負荷軽減と,交感神経抑制による心筋酸素消費量の減少を目的としてモルヒネを使用する。この症例ではモルヒネが必要となるほどの興奮状態ではない。

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