問題番号 : 103F19

80歳の女性。食欲低下を主訴に入院していた。3日前に風邪をひいたことを契機に,食事がとれなくなった。肝転移を伴う胃癌があるが,患者も家族も積極的な治療は望んでいない。娘夫婦が病院から車で30分の距離に住んでいる。10年前に心筋梗塞の既往があり,ステント留置術を受けている。
 午前3時の検温時に呼吸していることを看護師が確認していたが,脈拍は測定しなかった。午前6時05分の検温時に,ベッド上で心肺停止状態であるのを看護師が発見し,医師と家族とに連絡した。先に到着した研修医がモニター心電図を装着して自己心拍を認めないことを確認した。午前6時15分に指導医が到着し一緒に診察を開始した。体温35.0℃(直腸温)。自己心拍と自発呼吸とは認めず,瞳孔は左右同大で散大していた。午前6時20分に診察を終了し,心肺蘇生は行わなかった。
 午前6時45分に娘夫婦が到着した。状況の説明後,死因の特定のために病理解剖の同意を求めたが承諾を得られず,死亡診断書を記載することになった。
 死亡診断書に記載する死亡時刻で正しいのはどれか。

正解
d
国試正答率
84%

Assessment
 末期癌患者の在宅死亡に関する問題である。
①肝転移を伴

無料会員登録していただくと、実際の解説をすべて見ることができます。急性の呼吸困難を主訴とする疾患としては,喉頭浮腫,気道異物,自然気胸,気管支喘息,慢性閉塞性肺疾患の急性増悪などの呼吸器疾患,心不全(急性,慢性の急性増悪),肺血栓塞栓症などの循環器疾患が代表的である。この症例では呼吸器感染症と心不全が疑われるが,胸部エックス線写真は肺炎像というよりも両心不全を示唆する所見を示している。診断:心不全(両心不全)(Nohria分類wet and warm) 選択肢考察 ×a 強い呼吸困難,胸痛などにより安静が保てない場合には,血管拡張による前負荷軽減と,交感神経抑制による心筋酸素消費量の減少を目的としてモルヒネを使用する。この症例ではモルヒネが必要となるほどの興奮状態ではない。

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