問題番号 : 103E64

本問は,103E62~64の連問の一部です。

 30歳の男性。交通事故のため搬入された。乗用車を運転中,急停止した大型トラックに追突し,腹部をハンドルで強打した。
既往歴・家族歴:特記すべきことはない。
現 症:意識は清明。身長173cm,体重68kg。体温37.8℃。呼吸数30/分。脈拍116/分,整。血圧106/64mmHg。顔面は蒼白。上腹部に圧痛を認める。右前腕に腫脹を認める。
検査所見:血液所見:赤血球350万,Hb 11.6g/dL,Ht 39%,白血球10,200,血小板15万。血液生化学所見:血糖110mg/dL,総蛋白6.0g/dL,総ビリルビン0.8mg/dL,AST 23IU/L,ALT 16 IU/L,LD〈LDH〉252IU/L(基準176~353),ALP 230IU/L(基準115~359)。動脈血ガス分析(自発呼吸,room air):pH 7.42,PaO2 68Torr,PaCO2 32Torr。
 腹部造影CTを別に示す。
 認められるのはどれか。

正解
b
国試正答率
85%

画像診断
上画像参照。

Assessment

無料会員登録していただくと、実際の解説をすべて見ることができます。急性の呼吸困難を主訴とする疾患としては,喉頭浮腫,気道異物,自然気胸,気管支喘息,慢性閉塞性肺疾患の急性増悪などの呼吸器疾患,心不全(急性,慢性の急性増悪),肺血栓塞栓症などの循環器疾患が代表的である。この症例では呼吸器感染症と心不全が疑われるが,胸部エックス線写真は肺炎像というよりも両心不全を示唆する所見を示している。診断:心不全(両心不全)(Nohria分類wet and warm) 選択肢考察 ×a 強い呼吸困難,胸痛などにより安静が保てない場合には,血管拡張による前負荷軽減と,交感神経抑制による心筋酸素消費量の減少を目的としてモルヒネを使用する。この症例ではモルヒネが必要となるほどの興奮状態ではない。

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