問題番号 : 103E41

21歳の男性。4日前に交通事故のため搬入された。両側大腿骨骨折と筋肉の挫滅とを認めた。2日前から尿量が減少しフロセミド1,000mgを静注したが,尿量の増加を認めなかった。昨夜から仰臥位での息苦しさが出現した。意識は清明。体温37.2℃。呼吸数24/分。脈拍96/分。血圧160/78mmHg。胸部両側下部にcoarse cracklesを聴取する。血液所見:赤血球244万,Hb 6.7g/dL,Ht 20%。血液生化学所見:総蛋白5.0g/dL,アルブミン2.6mg/dL,尿素窒素105mg/dL,クレアチニン6.9mg/dL,Na 132mEq/L,K 7.0mEq/L,Cl 100 mEq/L,Ca 8.4mg/dL,P 2.0mg/dL,動脈血ガス分析(自発呼吸,room air):pH 7.36,PaO2 96 Torr,PaCO2 34Torr,HCO3 18mEq/L。
 直ちに行うのはどれか。

正解
a
国試正答率
67%

Assessment
①両側大腿骨骨折と筋肉の挫滅 ⇒ 四肢外傷
②血液所見

無料会員登録していただくと、実際の解説をすべて見ることができます。急性の呼吸困難を主訴とする疾患としては,喉頭浮腫,気道異物,自然気胸,気管支喘息,慢性閉塞性肺疾患の急性増悪などの呼吸器疾患,心不全(急性,慢性の急性増悪),肺血栓塞栓症などの循環器疾患が代表的である。この症例では呼吸器感染症と心不全が疑われるが,胸部エックス線写真は肺炎像というよりも両心不全を示唆する所見を示している。診断:心不全(両心不全)(Nohria分類wet and warm) 選択肢考察 ×a 強い呼吸困難,胸痛などにより安静が保てない場合には,血管拡張による前負荷軽減と,交感神経抑制による心筋酸素消費量の減少を目的としてモルヒネを使用する。この症例ではモルヒネが必要となるほどの興奮状態ではない。

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