問題番号 : 103D46

30歳の男性。会社員。独身。高度の呼吸困難,発熱および乾性咳嗽を主訴に来院した。3か月前から全身倦怠感と乾性咳嗽,2か月前から体動時の息切れ,2週前から発熱がみられ呼吸困難は高度となった。大学を卒業後2年間海外に留学した。意識は清明。身長178cm,体重56kg。体温38.2℃。呼吸数30/分。脈拍112/分,整。血圧114/60mmHg。チアノーゼを認める。血液所見:赤血球452万,Hb 12.8g/dL,Ht 40%,白血球8,200(桿状核好中球16%,分葉核好中球64%,好酸球6%,好塩基球2%,単球8%,リンパ球4%),血小板17万。免疫学所見:CRP 18 mg/dL,IgG 620mg/dL(基準960~1,960),β-D-グルカン280pg/mL(基準20以下)。胸部エックス線写真で両側びまん性に浸潤陰影を認める。
 治療薬として適切なのはどれか。2つ選べ

正解
a, b
国試正答率
90%

Assessment
①成人独身男性の呼吸困難,発熱および乾性咳嗽 ⇒ 悪性疾

無料会員登録していただくと、実際の解説をすべて見ることができます。急性の呼吸困難を主訴とする疾患としては,喉頭浮腫,気道異物,自然気胸,気管支喘息,慢性閉塞性肺疾患の急性増悪などの呼吸器疾患,心不全(急性,慢性の急性増悪),肺血栓塞栓症などの循環器疾患が代表的である。この症例では呼吸器感染症と心不全が疑われるが,胸部エックス線写真は肺炎像というよりも両心不全を示唆する所見を示している。診断:心不全(両心不全)(Nohria分類wet and warm) 選択肢考察 ×a 強い呼吸困難,胸痛などにより安静が保てない場合には,血管拡張による前負荷軽減と,交感神経抑制による心筋酸素消費量の減少を目的としてモルヒネを使用する。この症例ではモルヒネが必要となるほどの興奮状態ではない。

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