問題番号 : 103D23

40歳の男性。発熱と湿性咳嗽とを主訴に来院した。体温39.5℃,白血球21,000(桿状核好中球14%,分葉核好中球62%)。CRP 14.2mg/dL。胸部エックス線写真で肺炎像を認める。抗菌薬の点滴投与を開始したところ,口唇のしびれ,皮膚の紅潮と瘙痒感,冷汗および呼吸困難が突然出現した。意識は清明。脈拍124/分,整。血圧78/50mmHg。心雑音はない。両肺でwheezesを聴取する。
 治療に用いないのはどれか。

正解
b
国試正答率
87%

Assessment
①抗菌薬投与後の症状発現,②皮膚の紅潮と瘙痒感,③血圧低

無料会員登録していただくと、実際の解説をすべて見ることができます。急性の呼吸困難を主訴とする疾患としては,喉頭浮腫,気道異物,自然気胸,気管支喘息,慢性閉塞性肺疾患の急性増悪などの呼吸器疾患,心不全(急性,慢性の急性増悪),肺血栓塞栓症などの循環器疾患が代表的である。この症例では呼吸器感染症と心不全が疑われるが,胸部エックス線写真は肺炎像というよりも両心不全を示唆する所見を示している。診断:心不全(両心不全)(Nohria分類wet and warm) 選択肢考察 ×a 強い呼吸困難,胸痛などにより安静が保てない場合には,血管拡張による前負荷軽減と,交感神経抑制による心筋酸素消費量の減少を目的としてモルヒネを使用する。この症例ではモルヒネが必要となるほどの興奮状態ではない。

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