問題番号 : 103A25

13歳の女子。咳嗽と嚥下困難とを主訴に来院した。1か月前に胸がつまった感じがして近医を受診したが異常は指摘されなかった。その後も続く湿性咳嗽に対して去痰薬とβ刺激薬とを処方されていた。既往歴と家族歴とに特記すべきことはない。意識は清明。身長158 cm,体重63kg。体温36.6℃。呼吸数26/分。脈拍80/分,整。血圧122/72mmHg。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦,軟で,肝・脾を触知しない。両側の頸部と鼠径部とに母指頭大のリンパ節を触知する。血液所見:赤血球450万,Hb 12.5g/dL,白血球4,200(桿状核好中球1%,分葉核好中球60%,単球9%,リンパ球25%,異常細胞5%),血小板13万。血液生化学所見:総蛋白6.4g/dL,尿素窒素5.1mg/dL,クレアチニン0.6mg/dL,尿酸8.1mg/dL,総ビリルビン0.9mg/dL,AST 16IU/L,ALT 8IU/L,LD〈LDH〉772IU/L(基準176~353),Na 141mEq/L,K 4.1mEq/L,Cl 109mEq/L,Ca 9.1mg/dL。CRP 0.1mg/dL。胸部エックス線写真を別に示す。
 診断に有用なのはどれか。

正解
b
国試正答率
57%

画像診断
上画像参照。

Assessment

無料会員登録していただくと、実際の解説をすべて見ることができます。急性の呼吸困難を主訴とする疾患としては,喉頭浮腫,気道異物,自然気胸,気管支喘息,慢性閉塞性肺疾患の急性増悪などの呼吸器疾患,心不全(急性,慢性の急性増悪),肺血栓塞栓症などの循環器疾患が代表的である。この症例では呼吸器感染症と心不全が疑われるが,胸部エックス線写真は肺炎像というよりも両心不全を示唆する所見を示している。診断:心不全(両心不全)(Nohria分類wet and warm) 選択肢考察 ×a 強い呼吸困難,胸痛などにより安静が保てない場合には,血管拡張による前負荷軽減と,交感神経抑制による心筋酸素消費量の減少を目的としてモルヒネを使用する。この症例ではモルヒネが必要となるほどの興奮状態ではない。

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