問題番号 : 103A24

63歳の男性。労作時呼吸困難を主訴に来院した。7月末から咳と呼吸困難とが出現するようになった。その後出張で約1か月自宅を離れた。その間症状は消失した。自宅に戻ったところ,咳と呼吸困難とが再度出現した。喫煙歴はない。意識は清明。身長163cm,体重60 kg。体温37.8℃。脈拍84/分,整。血圧132/78mmHg。心音に異常を認めない。呼吸音にfine cracklesを聴取する。腹部,四肢および神経系に異常を認めない。血液所見:赤血球439万,Hb 13.5g/dL,Ht 40%,白血球9,000。血液生化学所見:総蛋白7.1g/dL,アルブミン3.9 g/dL。動脈血ガス分析(room air):pH 7.43,PaO2 76Torr,PaCO2 37Torr,HCO325 mEq/L。胸部CT(A)と経気管支肺生検組織のH-E染色標本(B)とを別に示す。
 最も考えられるのはどれか。

正解
e
国試正答率
98%

画像診断
上画像参照。

Assessment

無料会員登録していただくと、実際の解説をすべて見ることができます。急性の呼吸困難を主訴とする疾患としては,喉頭浮腫,気道異物,自然気胸,気管支喘息,慢性閉塞性肺疾患の急性増悪などの呼吸器疾患,心不全(急性,慢性の急性増悪),肺血栓塞栓症などの循環器疾患が代表的である。この症例では呼吸器感染症と心不全が疑われるが,胸部エックス線写真は肺炎像というよりも両心不全を示唆する所見を示している。診断:心不全(両心不全)(Nohria分類wet and warm) 選択肢考察 ×a 強い呼吸困難,胸痛などにより安静が保てない場合には,血管拡張による前負荷軽減と,交感神経抑制による心筋酸素消費量の減少を目的としてモルヒネを使用する。この症例ではモルヒネが必要となるほどの興奮状態ではない。

無料会員登録して、解説をすべて見る