問題番号 : 102I68

78歳の女性。高熱,咳および喀痰を主訴に来院した。5日前にA温泉旅館に一緒に宿泊した友人10名のうちの1人に同じ症状があると聞き心配になったと言う。胸部エックス線写真では多発性陰影が認められた。同日,保健所から医療機関に「A温泉旅館の過去1か月間の宿泊客2,540名のうち15名が同じ症状を持っていることが判明し,また患者喀痰と温泉の浴槽水とを調べたところ検出された菌の遺伝子が一致した」との連絡があった。
 最も考えられるのはどれか。

正解
b
国試正答率
99%

Assessment
①78歳の女性 ⇒ 高齢者
②高熱,咳,痰 ⇒ 呼吸器感

無料会員登録していただくと、実際の解説をすべて見ることができます。急性の呼吸困難を主訴とする疾患としては,喉頭浮腫,気道異物,自然気胸,気管支喘息,慢性閉塞性肺疾患の急性増悪などの呼吸器疾患,心不全(急性,慢性の急性増悪),肺血栓塞栓症などの循環器疾患が代表的である。この症例では呼吸器感染症と心不全が疑われるが,胸部エックス線写真は肺炎像というよりも両心不全を示唆する所見を示している。診断:心不全(両心不全)(Nohria分類wet and warm) 選択肢考察 ×a 強い呼吸困難,胸痛などにより安静が保てない場合には,血管拡張による前負荷軽減と,交感神経抑制による心筋酸素消費量の減少を目的としてモルヒネを使用する。この症例ではモルヒネが必要となるほどの興奮状態ではない。

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