問題番号 : 102I63

5歳の男児。呼吸困難を主訴に来院した。3歳から風邪を引いたときに咳嗽が長引いたり,ゼーゼーしたりすることが時々あった。昨日から透明な鼻汁と軽度の咳嗽とを認めていた。夕方から「息が苦しい」と言いだし,呼吸に伴ってヒューヒューという音が聞こえるようになった。意識は清明。身長105cm,体重16.5kg。体温36.8℃。呼吸数36/分。脈拍124/分,整。チアノーゼはない。咽頭に発赤を認めない。心音に異常を認めない。全肺野で気管支肺胞音は軽度に減弱し,呼気性のwheezesを聴取する。胸部エックス線写真を別に示す。
 まず行うのはどれか。

正解
a
国試正答率
95%

画像診断
上画像参照。
 全肺野で含気量増加所見を示すが軽度で,横隔膜は平低化

無料会員登録していただくと、実際の解説をすべて見ることができます。急性の呼吸困難を主訴とする疾患としては,喉頭浮腫,気道異物,自然気胸,気管支喘息,慢性閉塞性肺疾患の急性増悪などの呼吸器疾患,心不全(急性,慢性の急性増悪),肺血栓塞栓症などの循環器疾患が代表的である。この症例では呼吸器感染症と心不全が疑われるが,胸部エックス線写真は肺炎像というよりも両心不全を示唆する所見を示している。診断:心不全(両心不全)(Nohria分類wet and warm) 選択肢考察 ×a 強い呼吸困難,胸痛などにより安静が保てない場合には,血管拡張による前負荷軽減と,交感神経抑制による心筋酸素消費量の減少を目的としてモルヒネを使用する。この症例ではモルヒネが必要となるほどの興奮状態ではない。

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